地域振興研究

本学教員が専門性を活かして地域課題に取り組みます


「地域振興研究」は、地域の住民の方々や企業・行政だけでは解決が困難な地域課題に対し、教員がそれぞれの専門知識等を活かして有用な情報やノウハウを提供したり、小中学校や高等学校と協力してよりよい授業の創造等に取り組むことを目的とした事業です。
毎年6月ごろ「地域振興」「産業振興」「学校教育」の3分野に関する研究テーマを募集し、2月ごろに中間報告会を開催します。研究成果は、翌々年の3月発行の『周南公立大学総合研究所紀要』での論文発表をもって最終報告とさせていただきます。

2021年度より「地域貢献研究」から「地域振興研究」に名称が変わりました
「地域貢献研究」の取り組みは
こちら

2021年度採択課題
2021年度は「地域振興・産業振興」が3件採択されました。
○タイトル:地域中小企業の国際化に関する一考察 周南市の企業を対象に
提案団体:清水栄治
研究者:楊 樂華、呉 贇

○タイトル:周南市における介護労働者の労働・生活実態の解明と若年層の市内定住選択の要因分析
提案団体:山口県地方自治研究所
研究者:田尾 真一、鈴木 力

○タイトル:湯野温泉の健康湯治プログラム開発
提案団体:湯野温泉「健康・美肌の湯」促進実行委員会
研究者:鏡 裕行、寺田 篤史、中嶋 克成、羽田 司


過去の採択課題(地域貢献研究)

「周南公立大学地域貢献研究事業」は、平成20年8月に周南公立大学地域共創センターの前身となる周南公立大学地域連携センターが開設されて以来、ワークショップ(研究会)の開催や受託調査等を通じて培ってきた成果を活用し、地域の皆様との連携・協力をさらに深めることを目的に平成21年度から始まりました。周南公立大学の持つ研究機能を積極的に活用することで、周南地域をはじめとする地域の課題解決やビジョンの実現に貢献しようという地域連携事業です。住民やNPO、企業、行政だけでは解決が困難な地域課題に対して、周南公立大学の教員がそれぞれの専門知識や専門技術を活かして有用な情報やノウハウを提供することを目指します。

2021年度より「地域貢献研究」から「地域振興研究」に名称が変わりました

【地域振興・産業振興】1件

タイトル:「新型コロナウイルス感染症後の地域観光の方向性」
研究目的と方法:
2020年の新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の流行は観光業に大きな打撃を与えている。政府による「Go To Travel キャンペーン」など新型コロナ後の観光振興の取組みが動きつつあるが、外出自粛や密を避ける生活様式において、全国的に知られた観光資源に乏しい周南地域は一層厳しい状況に置かれている。有効に観光情報を発信するには、効果的な発信手段の選択のみならず、魅力ある観光資源が必要となる。
そこで本研究では、新型コロナ後(または新型コロナ下)に対応した観光情報の発信手段および発掘すべき観光資源の方向性を示すことを目的とする。その際、すでに新型コロナ後の観光客誘致に向けて動き出している他地域での取組みを分析するだけでなく、周南地域への訪問者に対する定性的な調査(聞き取り調査・アンケート調査)や、当地既存の観光資源における新たな魅力の発見(地場産業の展開に関する分析や湯野温泉における効能分析など)に繋がる実地調査も実施する。
なお、提案団体の本来の希望はニーズ把握であるが、実施可能なものについては試行しその効果検証を行いたい。
提案団体:一般財団法人 周南観光コンベンション協会
研究者:寺田篤史・鏡 裕行・中嶋克成・羽田 司
研究成果:寺田篤史・鏡 裕行・中嶋克成・羽田 司(2022)「新型コロナウイルス感染症後の地域観光の方向性 ―周南市内の4温泉地における―」『周南公立大学総合研究所紀要』44号、pp.45-54、周南公立大学総合研究所

【学校教育版】2件

タイトル「研究授業教科:総合的な学習の時間『住中SDGs』」
研究授業の目的:
・周南市における市民、行政、地元企業でのSDGsに対する取り組みや、企業等が抱える課題を調査し、SDGsにつながる取り組みを提案するプログラムの開発。
・SDGsの視点で地域活性化プランを提案し、実行する教育プログラムの開発。
・国際的な視点でSDGsについて考えるプログラムの開発。
提案学校:周南市立住吉中学校
研究者:元安陽一・宮脇敏哉



タイトル「研究授業教科:フェンシング部 部活動」
研究授業の目的:
対人競技における「認知的トレーニング」を開発する。そのうえで、対象校のフェンシング部を対象としたトレーニングを実施し、その効果を明らかにする。これによって、対人競技における状況判断能力向上のための体系的指導の示唆を得るとともに、全国でも上位にある山口県のフェンシングの競技力向上に貢献する。
提案学校:柳井学園高等学校
研究者:西山健太
研究成果:西山健太・水﨑佑毅(2022)「フェンシングの試合におけるファント動作に関する研究」『周南公立大学総合研究所紀要』44号、pp.37-44、周南公立大学総合研究所

【地域振興・産業振興】3件


タイトル:「海洋スポーツ体験教室の教育的効果」
研究目的と方法:
目的:本研究は、周南地域の子どもたちを対象とした「海洋スポーツ体験教室」開催し、海の楽しさ、安全指導、環境問題に関する理解を目的とする。また、体験教室を実施する為、海洋スポーツ指導者を育成する。
方法:体験教室参加者募集は、7月中旬より行い、1回2~3名を対象に半日の体験プログラムを実施する。プログラム内容は、SUP教室、ロープを使ったチャーム作成、海洋の安全・海洋プラスチックゴミ問題などを予定している。実施期間中(約1ヵ月)、20名とし、参加した子どもたちへ海洋スポーツ体験教室前後でアンケートを行ない、子どもたちの自己効力感などの効果が見られるか検討を行なう。
海洋スポーツの指導者育成に関しては、周南公立大学の学生に山口県スポーツ交流村の研修プログラムを受講してもらい、そこで得た技術・知識を活用したい。しかしながら、夏のシーズン中、この研修の受講は不可である。そのため、今回は、海洋スポーツ指導者の研修終了者および外部講師の協力を得て体験教室の実施を行う。新しい指導者育成は10月以降とし、指導者育成人数は、6名を予定している。
提案者:山口県で活動するジュニアアスリートをサポートする会
研究者:江﨑和希




タイトル:「下松市におけるホストタウン事業を基点にした国際交流の方向性と課題 ―産学官連携による「おもてなしプラン」計画・実施・評価―」
研究目的と方法:
2018年3月、本学と下松市は包括連携協定締結することとなった。本研究は、当該包括連携協定に基づき「下松市ホストタウン事業(ベトナムバトミントンチーム)」のおもてなしプランを計画・実施・評価することで、その方向性を示し、2020東京オリンピック・パラリンピック終了後も継続する国際交流の振興に資することを目的とする。産学官連携による「おもてなしプラン」づくり自体は存在するが、さらにその効果や方向性について分析を行った研究は少ない。なお、本研究実施に先立ち、西京銀行・ミズノご協力のもと、「ホストタウン事業おもてなしプラン」を策定するPBIを実施している。今後は、当該プランを実施し、その効果と課題を分析する。分析に当たっては、県内他地域のホストタウン事業の調査も行うことで下松市の同事業と比較を行い、より的確に下松市ホストタウン事業の課題を抽出していく。その中で、抽出された課題を解決するプランを再構築し、実践することで得られる効果についても調査・把握する。
提案者:西京銀行
研究者:中嶋克成・北島信哉・寺田篤史
研究成果:中嶋克成・北島信哉・寺田篤史・原 幸彦・栗林 栄作(2021)「下松市におけるホストタウン事業活性化に対するPBIの寄与―産学官連携による「おもてなしプラン」づくり―」『周南公立大学総合研究所紀要』43号、pp.41-52、周南公立大学総合研究所


タイトル:「山口県の平成30年7月豪雨災害被災地域における村落社会の変容と域学連携」
研究目的と方法:  
周南市および岩国市では平成30年7月豪雨により3人の尊い人命が奪われた。今回の被災地はいずれも山間の小規模集落であり、高齢化や過疎化が危惧されている地域である。こうした山間部の高齢化・過疎化地域が被災という衝撃的な経験をすることで、村落社会は大きな影響を受け、変容していることが予想される。  
そこで本研究では、聞き取り調査を中心とする実施調査を実施する中で、被災時や被災後の住民行動や居住意識の変化、復興過程等を調査することで被災地域の村落社会の変容を明らかにする。また、こうした被災地域に近隣して立地する高等教育機関の在り方についても検討していきたい。具体的には、被災地域の住民と大学の教員および学生とが定期的に協議や復興活動を実施する中で交流し、被災直後から時系列的に高等教育機関に求められる対応や支援について詳らかにする。
提案者:吉浦正男
研究者:羽田司・中嶋克成・寺田篤史
研究成果:羽田司・中嶋克成・寺田篤史(2021)「平成30年7月豪雨に対する山口県東部地域の共助による災害対応」『周南公立大学総合研究所紀要』43号、pp.53-64、周南公立大学総合研究所

【学校教育版】1件

タイトル:「体育館改修工事に伴う小学生の運動有能について」
研究授業の目的:  
7月より開始される体育館の建て替え工事に伴い、児童の活動スペースが縮小することが予想される。本研究では、環境の変化によって児童の活動量に変化が生じるかを検証するとともに、当方らが提供する運動プログラムが、児童の運動に対する意欲・関心、さらには行動変容(歩数や心拍数)に影響を及ぼすかを検証することを目的とする。
授業展開案:
  1. 教員向けの運動遊び講習会の実施 当該小学生の昼休みなどにおける児童の運動遊びは、ドッジボールや鬼ごっこが 中心であり、教諭らから見て遊びのレパートリーが乏しい状況である。今後工事の開始に伴い、児童らの活動スペースに制限がかかった際、これまで中心的な遊びとして行われてきたドッジボールや鬼ごっこなどを行うことが難しくなることが予想される。そこで、教諭らを対象とした運動遊びの講習会を実施し、様々な種類の運動遊びを紹介する。それを受けて、教諭らは普段の体育授業などにおいて体つくり運動の教材として児童らに運動遊びを実施し、多様な運動遊びの定着化を図る。  
  2. 日常的に実践する体操について  全国の小学校で毎年実施されるスポーツテストでは、下松市は20mシャトルラン以外の項目において全国平均を下回る結果が出ている(平成30年度報告書より)。そこで朝の時間や体育授業の準備運動として日常的に実践できる5分程度の体操を大学側で考案し、DVDに収録したものを小学校に提供する。上述の工事に伴い、児童らの体力が低下しないようにするための目的もあることから、内容としては、限られたスペースで行えるものであり、動的ストレッチを中心に体力の維持・向上を図る内容として考察する。
提案者:下松市立中村小学校
研究者:瀬尾賢一郎・北島信哉・水﨑佑毅

【地域振興・産業振興】1件

タイトル:「過疎化・高齢化地域における課題発掘および学民連携への萌芽的取り組み―周南市小成川地区を事例に―」
研究目的と方法:  
過疎化および高齢化の進展する周南市小成川地区を事例に、以下の二つの小目的を達成する中で、今後の人口減小集落への対応の方向性について考察することを目的とする。小目的の一つ目は、人口減小集落において発生している問題の把握である。本研究では、既存研究から導出される課題に当てはめて当該集落の課題を把握するだけではなく、現地における悉皆調査および景観調査も行うことで、より的確に当該地域で発生している課題を発見する。そして、小目的の二つ目は、大学が地域住民(民間)と連携して導出された課題に対応する過程と対応策の実践による初期効果を把握することである。大学側では、小成川地区の事例として位置づけた上で講義や課外活動等で取り上げ、学生の課題解決型学習の題材として活用する。その中で、人口減少集落への対応策を考案し、実践することで得られる初期効果について把握する。本研究で、初期効果の把握にとどめたのは、集落機能の改善には時間を有することから今後も継続的に経過を観察する必要があるためである。
提案者:吉浦正男
研究者:羽田司・中嶋克成・寺田篤史
研究成果:羽田司・中嶋克成・寺田篤史(2020)「平成30年7月豪雨に対する周南市小成川地区の対応と大学生による災害ボランティア」『周南公立大学総合研究所紀要』42号、pp.111-122、周南公立大学総合研究所リンクなし

【学校教育版】2件

タイトル:「保健体育(体つくり運動遊び)」
研究授業の目的:  
小学校の新学習指導要領が平成29年告示され、平成32年から完全実施となっている。体育授業においても「体つくり運動」とされていたものが「体つくり運動遊び」に名称が変更され、運動遊びを通じて身体の基本動作を習得することや、身体を動かすことへの意欲的な態度を醸成することが求められるようになった。そこで本研究では、公財)日本スポーツ協会が普及を進める「アクティブ・チャイルド・プログラム」を小学校低学年の体育授業に取り入れることにより、新学習指導要領に明記されている目標の実現を目指すことを目的としている。
授業展開案:  
アクティブ・チャイルド・プログラムの指導方針である「教える」という立場からの一方通行的な指導ではなく、個性と自主性を尊重し「ともに考える」ことができるような授業を展開していきたい。  
プログラムは、「運動遊び」「伝承遊び」などから構成されるものであり、道具を使わない遊びから、ボールやフープ、ロープなどを使用する遊びまで幅広くプログラムに盛り込まれている。  
上記の運動遊びのプログラムを、対象年齢や人数、レディネスなどに応じて選択・アレンジし、適正に応じた形で展開をしていきたいと考えている。  
授業展開の頻度については、今後実施校との調整が必要となってくると思うが、「体つくり遊び」の単元(約10回前後)の授業に参画し、小学校教員との協働により展開をしていく予定である。
提案者:周南市立徳山小学校
研究者:瀬尾賢一郎



タイトル:「保健体育(教員向け)」
研究授業の目的:  
研究内容として、教員の指導力を向上させる取り組みを実施したい。特に、従来実施されていた「体つくり運動」の領域は、小学校の新学習指導要領において内容が改変され、低学年では「体つくり運動」と示されている。そのため、対象校においては同領域における指導方法や指導内容を試行錯誤しながら実施している状況である。  
このことから、本研究は対象校における教員に対する「体つくり運動遊び」および「体つくり運動」における指導に関する研修を実施し、その効果について検証することを目的とする。具体的な内容としては、アクティブチャイルドプログラム(ACP)に関する研修を教員に対して実施し、その前後の変容について検証する。取り扱う運動内容は、「エアボール」および「タグラグビー」を中心に展開することを予定している。  
分析の視点としては、研修前後における「教師効力感」と「レジリエンス」の変容を調査する。「教師効力感」とは「こどもの学習に望ましい変化を与える能力に関する信念」(Ashton,1985)と定義されており、その高低が教師の授業実践力やメンタルヘルスとの関連が指摘されている概念である。一方、「レジリエンス」とは、ストレスや悩みの克服に寄付する人間の能力であり、その人が置かれる環境や経験によって変化、あるいは強化することが可能な能力(長内,2004)であるとされている。これらの視点から、研修の前後における教員の変容を測りたい。
授業展開案:  
研修の内容として、ACPに関する理論と実践について取り扱う。ACPとは、遊びを通じて子どもの体力・運動能力向上や精神的健康を維持することを意図したプログラムとされている。このACPの理論と実践における学びを、小学校教育における「体つくり運動」や「体つくり運動遊び」の単元にいかに活用できるかを教員同士で検討していけるよう研修展開していきたい。
提案者:周南市立徳山小学校
研究者:前田一篤



周防大島文化センター様よりご提案いただいた「地域の歴史的・文化的資源の潜在的価値に関する研究:周防大島町を事例として」(研究者:大田康博)は、周防大島町の貨物船衝突事故の影響で取りやめになりました。
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