総合教育

総合教育
全ての学部学科に共通する総合教育では、幅広い教養を学ぶだけでなく、大学での学びに必要な基礎的な知識・技能、語学力などのコミュニケーション能力、地域を軸とした課題発見・解決のための考え方や方法を学び、自らの成長と価値創造に結び付けます。
具体的には、次の6つの力を伸ばす教育を提供します。(1)Well-beingを実現する力、(2)キャリアを考える力、(3)人間力(EQ力)、(4)グローバルな社会を生きる力、(5)自ら考え、探究し、創造する力、(6)情報を活用する力です。これらにより、専門教育の基礎となるスキルだけでなく、社会の中で生きる力、地域・社会に貢献し、価値創造する力を育みます。
養成する人物像
国際化や多様化に対する知識や教養、技能を修得するだけではなく、地域を知り、諸課題を多面的に捉える能力を養成し、ひいては地域の課題解決や価値創造に貢献できる人材を育成します。
本学の総合教育の特色

循環型教育:経験を通した学びを次世代に伝える
総合教育(基盤教育および全学共通教育)を通して、豊かな人間性、実践的な知性、創造力等を育む教育を行います。これらの力は、一人でじっくりと課題に向き合い深く考えるだけでなく、時には経験豊富な先達(メンター)に支えてもらいながら、他者とともに学び合うことで育む必要があります。
そこで周南公立大学では、同じ授業や教育プログラムに学年や経験の異なる学生が参加し、先輩と後輩がともに学び合う「循環型教育」を積極的に推進しています。
例えば、経済経営学科、スポーツ健康科学科、情報科学科で教員免許状取得のために開設されている教職課程では、教育実習を終えた4年生とこれから実習に参加する3年生が合同で授業を行います。3年生は、先輩に教育実習に向けた準備や授業づくりの相談に乗ってもらったり、模擬授業の指導をしてもらったりといった協働的な学びを通して、実践的な指導力を育てていきます。
また、図書館に開設されているピアサポートセンターでは、センタースタッフの学生(2年生以上)が、1年生の教養ゼミなどの総合科目のレポート作成や資料検索などの学習支援を行っています。留学生のスタッフも多く在籍しているので、学生は困った時に図書館に行けばいつでも先輩から様々なサポートを受けることができます。
このように、周南公立大学の総合教育では正規のカリキュラムの内外で、学生の学びや経験が次世代に循環していく仕組みを取り入れています。

CBL:地域に学ぶ、地域で学ぶ
周南公立大学は、地域の課題解決や価値創造に貢献できる人材を育成するため、CBLを充実させています。CBL(Community-Based-Learning)とは、地域の企業等との協働による学習活動であり、地域との協働で大学の教育目標を達成していく教育手法です。
総合科目としては、下記3科目が用意されています。
- 地域の企業や有識者を講師としてお招きする「周南地域と産業」や「周南地域文化講座」などの講義科目
- 「キャリア形成活動1・2」のような地域企業等で行われる実習科目
- 「地域ゼミ」のような、地域をフィールドとして地域課題の発見・解決を行う課題解決型学習(PBL)科目
特に経済経営学科、スポーツ健康科学科、情報科学科の1年生全員が周南パートナー企業での就業体験に参加する「キャリア形成活動1」は、キャリア教育であるとともに、4年間の学びの場である周南地域を知るCBLの入り口ともなっています。
また、「地域ゼミ」は周南地域をフィールドとして、ゼミ生同士あるいは地域の協力者と協働して地域課題の発見・解決に取組みます。地域のWell-beingへの貢献、EQ力の発揮、実践的な課題対応能力の向上を地域との協働により目指すCBLを体現する科目です。
科目
周南Well-being創生入門(1年次前期)
Well-being、聞きなれないかもしれませんが、「よい状態」のことだと考えてよいです。しかし、ここでの「よい状態」とは、心身の健康や金銭的余裕といった個人の状態だけでなく、他者や周囲の環境との関係性も含めた包括的なものを意味していて、「みんな違ってみんないい、そしてみんなで良くなろう」の実現につながるものです。そのための基礎としてのWell-beingについて学び、それをどのように応用できるのかを考えます。
地域ゼミ(2年次通年)
学生が主体となって地域の身近な問題を見つけ、その解決に向けて調査・分析や解決法の提案などを行う「課題解決型学習(PBL)」の入門科目です。課題発見・解決のプロセスを体験し、課題対応能力やコミュニケーション力の向上を目指します。また、専門科目を深めていくための知識・技能の必要性への気づきを得る機会ともなります。
取り組む地域課題(テーマ)はゼミによって異なり、高齢者対象の運動教室運営や中山間地域における問題解決、ビジネス体験など多岐にわたります。
ワークショップデザイン1~3(2・3・4年次通年)
ワークショップをデザインする方法を学びます。1では学内向け、2では一般向けのワークショップの企画・運営、3では学外者と協働でプロジェクトマネジメントを実践します。学内・学外の様々な関係者とコミュニケーションを通じてEQ力を高める、本学のEQ教育プログラムの基幹科目でもあります。
注:EQとは「心の知能指数」と訳され、自分の感情をコントロールし、対人関係を良好に発展させる、キャリア形成にもつながる力をいいます。
取得を目指せる資格
- 中学校教諭一種免許状(社会・保健体育)
- 高等学校教諭一種免許状(地理歴史・公民・商業・保健体育・情報)
- 小学校教諭第二種免許状
- 養護教諭二種免許状(注1)
注1:保健師免許取得者が所定の単位を取得した場合。
周南公立大学では教職に関する様々な科目を展開し、どの学部からでも教員免許取得を目指せます。「学校体験活動」という本学独自の科目では、在学中に教育実習(4年次)より前に学校現場を体験することができ、現場に強い実践的な教員の養成を目指しています。
また、各免許の養成に当たっては、学部・学科の専門性を生かした教員養成を行っています。
経済経営学部経済経営学科
経済学部経済経営学科では、中学校(社会)、高等学校(地歴・公民・商業)の教員免許の取得を目指すことができます。また、高校普通科を卒業した方でも、商業学や簿記といった専門科目を学ぶことで高等学校(商業)の免許取得を目指すことができます。
人間健康科学部スポーツ健康科学科
人間健康科学部スポーツ健康科学科では中学校(保健体育)、高等学校(保健体育)、小学校二種の教員免許の取得を目指すことができます。生涯にわたって運動や健康・安全の保持増進の実践力の育成と豊かなスポーツライフをマネジメントできる知識と指導力を備えた人間性豊かな保健体育科教員を育成します。
人間健康科学部看護学科
人間健康科学部看護学科では、保健師免許を取得者が所定の単位を取得することによって養護教諭二種の免許を得られます。
情報科学部情報科学科
情報科学部情報科学科では、高等学校(情報)の教員免許の取得を目指すことができます。情報に関する専門的知識・技術と情報リテラシー及び倫理観を備え、情報や情報技術を十分に指導できる情報科教員を育成しています。