Shunan University 入学式 学長式辞

学長

学長  Takata 





入 学 式 式 辞


Shunan University に入学された新入生の皆さん、ご入学、誠におめでとうございます。そして、新入生を育んでこられたご家族、ご親族をはじめとする関係者の皆様、長年に渡って新入生の皆さんを物心共に支えてこられましたことに敬意を表しますとともに、心からのお祝いを申し上げます。本学の教職員を代表し、お祝いと歓迎の言葉を申し上げます。   
本日の入学式は、Shunan University にとって記念すべき入学式です。新しく設置された学部学科の一期生を迎える特別な入学式です。村岡知事をはじめとする多くのご来賓の皆様のご臨席のもとに、新学部学科の一期生の皆さんを歓迎できますことは誠に感無量です。本日、この記念の入学式で510名の新入生を迎ることのできる幸運を、本会場におられるすべての皆様と分かち合いたいと思います。   
さて、Shunan University の前身である徳山大学は、公設民営大学の先駆けとして、また山口県東部で唯一の4年制大学として、1971年に設立されました。徳山大学では「知識とともに魂の教育を重視する大学を目指す」という建学の精神のもとで、「知(叡智)と地(地域)の拠点となる」ことを実践してきました。この思いは「地域住民のWell-beingを高め、日本一のまちづくりの中核となる大学としての役割を果たす」というパーパス(存在意義、志)として、Shunan University に引き継がれました。   
Shunan University では、「地域の持続的発展と価値創造のための『成⻑エンジン』となる」ことをミッション(使命)として掲げ、「地域に輝く大学」となることをビジョン(本学のありたい姿)としています。これらのパーパス、ミッション、ビジョンは、地域と時代の要請を受けて構想した学部学科新設の原点になっています。    周南公立大学における学びには、各学部学科の専門的知識や技能の習得に加えて、いくつかの特徴があります。   
その一つとして、地域との連携のもとで地域の課題を発見し解決法を見出すことに挑戦するCommunity Based Learning (CBL) を挙げることができます。CBLによって、実践的な経験をもとにしたキャリア形成、地域の複合的な課題に取り組む学際的な学習、地域の課題解決に貢献することを通した自己肯定感やWell-being実現に対する使命感の醸成を目的としています。 
地域は、最も身近にある「実践的な学びの場」です。地域の課題は国内各地の、さらには世界各地の課題と共通します。世界は地域からなっています。地域は世界につながっています。地域で学ぶことは、世界を学ぶこと繋がります。世界を意識して、地域で行動し、地域の経験を活かして、世界を変えてください。地域で学ぶことは、将来、皆さんがそれぞれの場所で社会のリーダーとして活躍する時に、きっと役立つ学びになると確信しています。 
また、既存の学部や学科の枠を超え学際的な学びも、本学の大きな特徴として挙げることができます。学部学科横断的な学びは、複合的な社会の課題を解決する際の基盤となり、周南公立大学の卒業生が社会で活躍する際の大きな個性となります。   
さらに、人間形成と個性につながるリベラルアーツ教育や社会における対応力を育むリテラシー教育も本学の学びの特徴です。とりわけデジタル時代の「読み・書き・そろばん」である「数理・データサイエンス・AI」プログラムは文部科学省の認定を受け、その基礎力や実践的な能力を学ぶための教育プログラムを他に先駆けていち早く導入しています。また、課題解決のための思考法であるデザインシンキングやWell-beingに関するプログラムも用意しています。   
現在の社会では、新興感染症によるパンデミック、地球温暖化による環境破壊、ウクライナ戦争で顕在化した世界秩序の崩壊、AIの著しい進化など、これまでの常識を覆すような社会変化が次々と起こっています。すなわち、Volatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った造語であるVUCA(ヴーカ)と呼ばれる将来の予測が困難な時代になっています。   
特に、AIは指数関数的な進化を続け、10年後には人間のような汎用的な知能を持つ人工知能Artificial General Intelligence(人工汎用知能、AGI)が出現し、さらに、20年後の2045年には、あらゆる面で人類の知能を超えるシンギュラリティ(技術的特異点)が来ると予想されています。まさに、これまでの常識では予測不可能な時代がすぐそこに来ています。   
VUCAの時代を乗り切るには、デジタル技術を活用した情報を集める力やそれを分析する力、データに基づいて仮説を構築する力、そして意思を決定し実行する力などの個人の能力が求められます。また、より効果的な成果を生み出すためには、ダイバーシティに富んだ人的ネットワークを構築する力も必要です。   
新入生の皆さんには、正課の授業や実習で知識や技能を貪欲に習得することはもちろんですが、それに加えて、クラブ活動やボランティアなどの課外活動や社会貢献活動などにも積極的に参加し、多様性を受け入れるコミュニケーション能力も身につけてもらいたいと思います。   
VUCAの時代には不確実性が高まり戸惑いも隠せませんが、一方で、新たな価値を創造するチャンスでもあります。新入生の皆さんには、周南公立大学での学びを礎としつつ、旧来の価値観にとらわれず、変化に柔軟に対応しながら持続的な成長を追求してもらいたいと思います。   
Shunan University の教職員は、「学生のためになるかどうか、地域の発展につながるかどうか」を教職員の価値観や行動指針として共有しています。皆さんが大学での4年間を通して大いに成長し、揚々と社会に巣立つ姿を見ることは、我々、大学教職員の大きな喜びであり特権です。学生の皆さんの学生生活を全力で支援します。何かあれば教職員にコンタクトして、我々の知識や経験を大いに活用していただきたいと思います。   
結びに、郷土の偉人、吉田松陰先生の言葉を紹介させていただきます。それは、「志を立ててもって、万事の源となす」という言葉です。この言葉の意味は、何事も「志」がなければならない。志を立てることが全ての始まりとなるという意味です。「志」とは、心に思い抱く目的や目標のことで、「志を立てる」とは、その目的や目標を成し遂げようという気持ちをしっかりと持つことです。  「志を立ててもって、万事の源となす」   
新入生の皆さん、Shunan University での生活が始まるこの時に、皆さん一人ひとりの「志」を考え、胸に抱いてください。そしてその「志」をもとに人生のロードマップを描き、そこに、周南公立大学における学びを位置付けてください。   
これから始める大学生活が、皆さんの「志」を達成するための貴重で充実した時間になることを心から祈念して、式辞を結びます。 
  令和6年4月4日 
Shunan University  学長  Takata  隆
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