大学のスゴい研究、見せます!

高齢者施設で起こる介護事故への責任のあり方とその対応(介護事故報告書調査、リスクコミュニケーション教育)・認知症の理解と共に暮らせる地域をつくる研究(裁判例分析、スティグマ調査、VR等)

人間健康科学部 看護学科 講師 辻 麻由美

研究の概要

自治体に提出される介護事故報告書の分析を通じて、現場で起こる事故の実態と、その責任の有無や対応方法について明らかにしています。たとえば、高齢者施設での転倒や誤嚥などの介護事故は、重大な後遺症や訴訟に至ることもあります。損害賠償責任は、事故の内容や発生状況により施設側に問われることが多いため、現場でのリスクマネジメントや、事故発生後の説明・家族とのコミュニケーションが重要です。また、認知症患者への偏見や誤解を減らし、共生できる社会づくりに向けて、VR等を活用した教育や啓発活動も進めています。

この研究で社会·暮らしがどう変わる?

介護事故の研究では、施設でよく起きている転倒や誤嚥などの介護事故への対応方法を明確にすることに取り組んでいます。これにより、職員の不安が減り、ご家族も安心して施設を利用できるようになります。とくに、事故前後の説明や話し合いの工夫を知ることで、トラブル防止や相互の信頼関係強化にもつながります。また、認知症の研究では、認知症のある方を正しく理解を広げ、偏見をなくすことを目指しています。地域の中で誰もが暮らしやすい共生社会の実現に向けて、現場で役立つ知識と、社会の理解の促進を両輪として進めています。

研究の魅力

現場で働く人や家族にとって本当に役立つ知識・知恵が得られる点が魅力です。事故やトラブルを未然に防ぐだけでなく、「どのように説明したら納得してもらえるか」「認知症の人をどう支えられるか」といった実践的な工夫も重視しています。研究を通じて、地域全体の安心・笑顔を増やすことに貢献できることに、大きなやりがいを感じています。