大学のスゴい研究、見せます!

通訳を介した司法面接法の開発,やさしい日本語による聴取法の開発

情報科学部 情報科学科 教授 羽渕 由子

Q1. どんな研究テーマですか?

日本語を母語としない人から出来事を正確に聴き取るための「司法面接法」の開発をテーマとした研究です。通訳を介した面接のあり方や、「やさしい日本語」を用いた聴取方法に注目し、公正で負担の少ない面接の実現を目指しています。

Q2. なぜこの研究が必要とされているのですか?

日本の司法制度では、外国人から話を聴く際に通訳を介することが原則とされていますが、通訳の関わり方については明確な基準がありません。そのため、聴き取りの正確性や、面接を受ける人の心理的負担に差が生じる可能性があります。こうした課題を解消するため、科学的根拠に基づいた面接方法の確立が求められています。

Q3. 具体的にはどのような点を検証していますか?

通訳者の座席位置、通訳に入るタイミング、対面通訳と遠隔通訳の違い、通訳を介さずに「やさしい日本語」を使った聴取などを条件として設定し、面接対象者の発話量や内容の正確性、負担感や安心感といった指標をもとにデータを分析しています。実験的な手法により、より適切な面接条件を明らかにしようとしています。

Q4. この研究で、社会や暮らしはどう変わりますか?

本研究の成果は、日本で暮らす外国人が法的手続きの場面で公正に扱われるためのガイドラインの作成に活かされます。多文化共生社会の実現に向けて、国籍や言語の違いに左右されず、公正に話を聴いてもらえる環境づくりを支える根拠データとなり、司法や福祉、教育など幅広い分野への波及が期待されます。

Q5. この研究の魅力はどんなところですか?

心理学の実証的な手法を用いながら、現実社会の課題解決に直接つながる点です。検察官や警察官、弁護士、裁判官、医療・教育関係者など、多様な実務家や研究者と連携しながら研究を進めることで、知見を社会に実装していく過程そのものに大きなやりがいと責任を感じられることが、この研究の魅力です。