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地域経済・地方財政の成り立ちと課題

人間健康科学部 福祉学科 教授 伊藤 敏安

Q1. どんな研究テーマですか?

地域経済の成り立ち、とりわけ「みんなの共通の財布」である地方財政や公共政策の仕組みについて研究し、課題や問題点を明らかにしようとしています。

Q2. これまでの研究関心はどのように広がってきましたか?

20代の私は、地域社会がどのように形成され、維持されているのかという社会学的研究からスタートしました。その後、地方シンクタンクでの勤務体験を経て、地域経済に関する調査研究に移行しました。大学に職を得てからは、地域を支えるお金の流れ、特に地方財政とこれにかかわる意思決定の仕組み、つまり公共政策の分野に関心を持つようになりました。

Q3. 具体的にはどのようなテーマを扱っていますか?

たとえば「ふるさと納税」は非常に面白い仕組みです。ところが、利用者や流入型の自治体にとっては魅力であっても、利用者が多い流出型の自治体にとっては税収減になります。これでは行政サービスを維持できないため、不足分は地方交付税によって補充されます。その地方交付税はというと、みんなで広く薄く負担しているのです。財政というのは「みんなの共通の財布」であることを、こういう身近な問題から解き明かしていければと考えています。

Q4. この研究で社会や暮らしはどう変わりますか?

データに基づく分析をもとに、現実的で具体的な政策提言につなげることで、より公平で持続可能な地方財政のあり方を考える手がかりを提供したいと考えています。制度のメリット・デメリットを可視化することで、市民や自治体が公共政策を主体的に考える土台づくりに貢献することを目指しています。

Q5. この研究の魅力はどんなところですか?

地方財政や公共政策には「誰かにとって望ましいことが、別の誰かには望ましくない」というトレードオフが存在します。そうした複雑に絡み合った問題を一つひとつ解きほぐしながら、より住みやすい地域社会のあり方を考えていける点に、この研究の魅力があると思います。