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ヒトの歩行運動における脚の関節間協調
情報科学部 情報科学科 講師 日置 智子
Q1. どんな研究テーマですか?
ヒトの歩行運動において、脚の各関節がどのように連動・協調して動いているのか(関節間協調・関節間シナジー)を明らかにする研究です。
Q2. 歩行中の「関節角度のばらつき」に注目するのはなぜですか?
歩行では一歩ごとに関節角度にばらつきが生じますが、ばらつきが大きいと足先の高さが変化し、つまづきや転倒のリスクが高まると考えられます。一方で、実際の歩行では他の関節がそのばらつきを補い、安定した歩行を実現しています。この仕組みを理解することが重要だと考えています。
Q3. 関節間シナジーはどのように調べているのですか?
モーションキャプチャによって得た歩行中の関節位置データを解析し、どの関節がどのようなタイミングで協調しているのかを詳しく調べています。さらに、複数の関節の連動を評価する指標を用いて、足先の動きを安定させるための関節間の役割分担や連動の特徴を明らかにしようとしています。
Q4. この研究で社会や暮らしはどのように変わりますか?
歩行中の関節協調の仕組みが明らかになることで、高齢者や歩行に困難を抱える方に対して、身体への負担が少ないリハビリテーションやトレーニング方法の開発につながります。また、歩行データから歩行の乱れや転倒リスクの兆候を早期に捉えられるようになれば、個人に合わせた支援方法の設計や、歩行支援装置・転倒予防技術の開発にも役立ちます。歩行の自立支援や生活の質の向上に加え、医療費の削減にも寄与することが期待されます。
Q5. この研究の魅力はどんなところですか?
歩行という身近で基本的な運動が、多数の筋肉や関節の巧みな協調によって成り立っている点をデータを用いて解き明かせることです。その仕組みを理解することで、バランスが崩れた場合の回復支援だけでなく、スポーツや日常動作における身体の使い方への新たな視点を得られる点に、大きな魅力があります。
