理事長・学長あいさつ


「地域の成長エンジン」へ
—周南公立大学の使命と未来
公立大学法人 周南公立大学
理事長・学長
髙田 隆
周南公立大学のホームページにアクセスしていただきありがとうございます。
さて、周南公立大学は2022年4月に公立大学としての新たな歴史を刻み始めました。前身の徳山大学は公設民営大学の先駆けとして、また山口県東部で唯一の4年制大学として、1971年に設立されました。徳山大学は「公正な社会観と正しい倫理観の確立を基に、知識とともに魂の教育を重視する大学を目指す」という建学の精神のもとで、大学の使命としての「知と地の拠点となる」ことを実践してきました。この思いは周南公立大学の「日本一のまちづくりの中核となる大学としての役割を果たす」というパーパス(存在意義、志)に引き継がれています。公立化にあたって周南公立大学の使命(ミッション)を『地域の成長エンジン』となることと定義するとともに、『地域に輝く大学』となることをありたい姿(ビジョン)として宣言しました。さらに、『学生のためになるかどうか』『地域の発展につながるかどうか』を大学構成員の価値観(バリュー)として共有しています。周南公立大学は地域住民のWell-beingを高め、豊かな生活を送ることができるまちづくりに貢献する地域貢献大学であることを目指しています。
周南公立大学では2024年に地域貢献大学としての役割を強化するために学部学科の再編を行い、「経済経営学部」、「人間健康科学部」、「情報科学部」を設置しました。再編にあたっては学生が社会で活躍する20年、30年後の社会に対応した教育を提供するとともに、地域がどのような人材を求めているかを重要な視点としました。これからの社会、とりわけ地域で活躍する人材の輩出を目指しています。
これらの学部ではそれぞれの専門分野における知識や技能などを習得しますが、これに加えて周南公立大学ではいくつかの特徴ある教育を行っています。まず最初に挙げられるのは、地域との連携のもとで地域の課題を発見し解決法を見出すことに挑戦するCommunity Based Learning (CBL)です。CBLによって、実践的な経験をもとにしたキャリア形成、コミュニティとの連携と人的ネットワークの構築、地域の複合的な課題に取り組む学際的な学習の促進、地域の課題解決に貢献することを通した自己肯定感や地域のWell-being実現に対する使命感の醸成を目指します。また、インターンシップも必修で、地域を知り、地域企業を知り、そこで働く人々の魅力を知る機会にしています。実社会での学びは卒業生が社会で活躍するときに必ず役立つと確信しています。世界は無数の『地域』が集まって成り立っています。地域について深く学ぶことは世界を理解する第一歩となります。
また、周南公立大学では、各学部学科における専門的な教育に加えて、学部学科の枠を越えた学びを行います。実社会における課題は複合的で、解のない課題が多く存在します。周南公立大学における学部学科横断的な学びは、卒業生の皆さんが社会で活躍する際の大きな強みとなります。
さらに、周南公立大学では、課題解決の基盤となる人間力育成のためのEQ (emotional quotient:心の知能指数)教育や教養教育にも力を入れています。Well-beingに関する教育や実践的な英語力をつける教育、そしてこれからの社会に必要不可欠である数理データサイエンス・AI教育(政府認定の教育プログラム)などを準備しています。
周南公立大学では教育研究資源を用いて地域との連携に力を入れています。地域と大学とのワンストップ窓口としての周南公立大学地域共創センターの開設、地域DX教育研究センターや地域イノベーションセンターなどの学部学科関連のセンターの設置、地域の「産学官金労言」連携を図るための周南創生コンソーシアムの設置、地域人材循環構造の構築を目指した周南教育コンソーシアムの設置など、地域活性化のための様々な取り組みを精力的に進めています。本学の地域貢献の取り組みは、全国の約750大学を対象にした大学地域貢献度ランキング(日本経済新聞社、2023年)において全国で14位、学生収容定員2,000名以下の小規模大学では連続して全国1位になるなど高い評価を得ています。
今後の高等教育の在り方に関する中央教育審議会の議論において、「公立大学は設置者である各地方公共団体の高等教育政策の中心的役割を担い、教育機会の均等や地域活性化の推進、行政課題の解決への貢献といった役割・機能等が期待される。」とあります。周南公立大学は地域貢献大学としての役割をしっかりと果たします。
周南公立大学はダイナミックに変化しています。地域を学びの場として人間力を高め、人々のWell-beingに寄与し、日本一の地域づくりの夢を教職員が一丸となってワクワクしながら取り組んでいます。本ホームページにアクセスしていただいた皆様にも、是非その一員となってワクワクを共有していただければと思います。
公立大学法人周南公立大学 理事長・学長 髙田 隆
学長プロフィール
公立大学法人 周南公立大学 理事長・学長
髙田 隆
TAKATA Takashi
1953年生まれ。広島大学教授、理事・副学長(社会産学連携担当)、国際口腔顎顔面病理学会会長、日本臨床口腔病理学会理事長などを歴任。2019年に徳山大学学長に着任し、2022年より周南公立大学学長・理事長。